日本発の骨折治療法
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Regenebone®を用いた骨折治療法
北条動物病院(兵庫県加西市)の池水 智博先生が研究・開発なされたRegenebone®。再骨折の多いプレート法に代わる特許外固定法として、世界標準を目指す。
自然治癒力で治る骨折
若い子の単純骨折は、手術せずとも、生体反応(自然治癒能力)を利用して完治することも多いです。プレート法は、小型犬には難易度が高く、時として、再骨折を誘発します(後述)。写真は、他院でのバンテージ固定を(左)、再固定し直し(右)、2ヶ月で完治。プレートが入っていないのがわかると思います。動画は、治癒を、全方位から確認したもの(医師用の特殊な機器)。以下のRegenebone®は、進化した外固定法。
Regenebone®の特徴
Regenebone® | プレート法 | ||
---|---|---|---|
物理学的理論 | 弾力的固定 | 強固な固定 | |
方法 | 外固定 | 内固定 | |
手術 | 無 | 有 | |
生体反応 | 利用 | ± | |
再骨折の可能性 | 低 | < | 高 |
再骨折時のrecover | 比較的容易 | 難易度が高い | |
異物反応 | 無 | 有 | |
高齢期の骨吸収 | 低 | < | 高 |
極小動物 | 可 | 術者の個人差 | |
老齢動物 | 可 | 個体差 | |
多種の動物 | 可 | ? |
Regenebone®の研究・開発
Regenebone®の理論は数年前から完成しており、特許取得済み。プロトタイプは我々のグループですでに臨床応用中。 量産化にむけて最終工程に入っています。
プレート法による再骨折誘発事例
細い骨にプレートを入れることは難易度が非常に高く、技術的なアピールは最高ですが、技術と治療は違います。
プレートなど体内に金属を入れる危険性
プレート法の問題点
・骨折部位への血流の遮断
・骨折時の様々な生体反応の抑制
・強固な固定が、仮骨の形成を抑制
・骨とプレートとの弾性率の違いが、体重負荷によりさらに顕在化
Regenebone®の施術例
レントゲン写真(我々の症例の治癒過程)
骨に、プレートがついてないのを、確認ください。
① 一般的な整復経過
② 超小型犬
③ 肥満犬
④ 筋肉量が少ない犬種
⑤ 猫の上腕の骨折
⑥ 時には、ほぼ無処置でも治る骨折
⑦ よくある失敗(固定法を修正するだけで)
⑧ 大動物
⑨ 色々な症例
ヒトでプレート法が有用なのは?
・筋肉量が多く、骨も太いので血流が多い
・プレートによる血流障害が軽度
・比較的容易にプレートを外せる
・特に前肢(ヒトの腕)の場合は、体重負荷がない(弾性率の違いが顕在化しない)
安静だけで歩行可能になるケースも!
猫の後肢の骨折
交通事故。特に若い猫の場合は、ケージレストなどの安静のみで、歩行可能になることが多い。動画は、骨折後1週間でのそのケース。骨折端での変形癒合がみられるが、経年で意外と気にならない程度になるケースが多い。麻酔のリスクに加え、●●万円かけて手術をして、●●万円かけてプレートを抜くような高額処置の必要性には疑問がある。少なくとも単純な骨折の場合は、手術なしの安価で安全な方法を、まずは模索すべきである。
特許及び学会発表
論文化に関しては、現在進行中。
・特許
Link : https://astamuse.com/ja/published/JP/No/2013220123
・学会発表
Ikemizu-Thomas Splintを用いた弾力的固定法による小型犬のとう尺骨骨折の治療成績
北海道獣医学会会報54, 小-12(2010)
Link: https://togodb.biosciencedbc.jp/togodb/show/yokou_abstract/201004668870108
Schroeder-Thomas SplintおよびIkemizu-Thomas Splintを用いた外固定法による小型犬とう尺骨遠位骨折の治療成績
北海道獣医会54, 小-10(2010)
Link: https://togodb.biosciencedbc.jp/togodb/show/yokou_abstract/201004668870107
当院へ来院される方
・当院は、Regenebone®と、RJ+添え木変法を実施
・遠方からいきなりの来院はしないでください
・転院の場合は、必ず、事前にご相談ください
・転院される場合は、骨折数日以内に
・基本的には、今は、小型動物の前肢単純骨折が対応
・開発者の北条動物病院では、多種の骨折に対応可能
Regenebone®の施術可能な病院
研究開発にかける思い
私自身は心臓が専門ですが、とある学会で、同様に心臓を専門にしている年配の獣医師と話をしていて、衝撃をうけたことがあります。その方、一度も心臓を見たことが無いんですよね。例えば、私は、と畜場に行って何度も豚の心臓をもらってきたことがありますし、犬猫も献体をいただいたりして勉強してきました。巷にあふれる自称整形専門獣医師も、骨に実際に触れたことはあるのだろうか?という疑問が、ふとわいています。
まともな獣医療を目指して
東京の病院からの転院症例ですが、このようなレントゲン視ると悲しくなりますね。わかりますか?保定者の手がうつっていますね!人間が意味もなく被ばくしているということですね。院長自ら被ばくならまだアホで済むけど、部下にやらせてるなら、障害ですね。
骨折の3D/4Dエコー描出の研究
まだ実験段階ですが、被爆をせず、あらゆる角度から骨を描出できる3D/4Dエコー(超音波)検査は、将来、非常に有用な検査法のひとつになるかもしれません。