一般症状
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一般症状
一般的な症状や、危険な症状を掲載しています。写真、動画の使用に同意いただいた飼い主様、感謝いたします。
熱中症
この子は体温が42℃を超えましたが、救命しました。意識混濁、早い呼吸が典型的です。室温は25℃以下は必須です。
猫の便秘症(死に至る巨大結腸症)
猫の便秘症は死に至る病です。左のレントゲン写真のお腹の中の白い塊が、すべてウンチです。便秘を放置してこうなりました(右は正常の写真)。ここまでウンチが詰まると、手術をして腸を切除します。ウンチの硬い猫は、直ちに治療してください。
根尖部膿瘍/歯科
目の下が急に腫れたら、大体この根尖部膿瘍です。歯の根元に膿がたまって(場合によっては骨が解けて)、皮膚が腫れた状態。歯肉炎の放置、硬いオヤツ・オモチャを与えている犬に多く、抜歯が必要です。
開口呼吸
開口呼吸と努力性呼吸
開口呼吸(口を開けての呼吸)、努力性呼吸(お腹が波打つような呼吸)は、心臓病や胸に水や膿がたまり、息が苦しくなった状態。非常に危険で、直ちに酸素室に入り、処置をしないと死亡する。
咳
① 犬の咳
犬の風邪の咳。心臓病でも咳をしますが、その場合は肺に水が溜まった状態で、命に関わる咳です。
② 猫の咳
猫は頸部を前方に伸ばした状態で咳をします(前半の症例)。軽度の時は、四肢を折りたたんだ体勢で咳をします(後半の症例)。
③ 気管虚脱
気管虚脱では、動画のように、咳のような呼吸をします。この子は投薬で、症状は消失しました。
④ 心臓病の咳
拡張した左心房が気管支を圧迫して、咳が出ます。放置すると、肺水腫に移行します。
逆クシャミ
チワワなどに多い。現在のところ、治療対象ではない症状。
黄疸
黄疸では、体が黄色になります。尿の色や、毛をわけて体表を確認すればよいのですが、猫の尿はトイレ砂にしみこんでわかりづらく、毛も密なため初期には発見が難しいです。犬は、急な胆のう障害(胆泥症)で胆のうが破裂したケースでしばしばみられます。
① 猫の黄疸
猫の黄疸は、FIPや、(原因にかかわらず)数日の絶食による肝臓障害で見られます。
② 犬の黄疸
犬の胆のう粘液のう腫の3D/4Dエコー
犬の黄疸は、多くが胆のう粘液のう腫でみられます。緊急手術が必要です。
肛門腺
正常
硬い肛門腺
硬い(内容物)肛門腺の場合は、定期的な肛門腺しぼりが必要になる。
短頭種気道症候群
① 手術前
F・ブル、ブルドッグ、パグなどの鼻ぺチャの犬種の疾患。とても苦しいです。手術のポイントは、鼻の孔を広げる、軟口蓋過長の調整、咽頭小嚢反転の整復ですが3歳未満で行うのが重要です。この症例は、転院症例で、症状が激しく3歳以上だったため、専門医に紹介しました。
② 手術後
①の症例の手術後です。私どもではできない高度な手術で、無事、日常を取り戻せたワンちゃんです。
整形
① パテラ(膝蓋骨内側脱臼)
後肢の膝のお皿の骨の内側への脱臼。小型犬に多い。Grade1-4に分類。当院では、生後数ヶ月で、運動で治すことを指導しています。手術方法は何種類もあります。手術する場合は、外科専門病院で行うことをお勧めしています。 手術したのに治っていない症例が非常に多いです。
② 骨折
小型犬は、落下により前肢を骨折することが多いです。写真は、0.6 kgのチワワの前足の骨折の治る過程ですが、当院は、爪楊枝サイズの骨折も前足の単純な骨折ならば、手術なしで整復可能です。
当院では、骨折の3Dエコー診断を研究しています。
真菌症(人畜共通感染症)
① 真菌症の症状
人にうつります。特に幼猫の脱毛(耳、鼻先、足先など)は注意。猫には痒みが無いケースも多い。
② 真菌症の検査
培養検査や、動画のように特殊なライトをあてて検査します(ブルーに光れば陽性)。犬では脱毛、痒みが出ることが多いが、猫では、脱毛も痒みもほとんど認められず、気が付かず人にうつることもあり、注意が必要(写真のケース)。
③ 真菌の人への感染
非常に痒い、円形の赤みが出ます。頭にうつると、ハゲます。
外部寄生虫
① ノミ
(1)ノミの成虫
ノミ成虫
ノミはダニと違い、被毛の間を素早く動きます。動画の後半は、お薬で弱ったノミを撮影しています。
(2)ノミの糞
ノミ糞
ノミは素早く動くので、見つけられないことがあります。その場合は、ノミの糞を探します。糞は黒い小さな砂粒状で、水に浸すと血がにじみます。
(3)ノミのライフサイクル
ノミのライフサイクル
卵から、幼虫、マユ、サナギ、成虫へと変化します。
② ダニ
(1) マダニ
ダニはノミと違って動きません。ダニが媒介するウイルスで人が死亡することがあります。
(2) 耳ダニ
耳の中(耳道)に寄生します。非常に強い耳の痒みや、耳垢がたくさん出ます。
(3) アカラス(毛包虫)
顕微鏡でしか見えないダニ。強い痒みと赤みをおびた皮膚炎を呈します。
(4) 疥癬
非常に小さなダニ。強い痒みとフケの多い皮膚炎を呈します。
内部(消化管内)寄生虫
① 回虫
消化管(腸、胃)内の回虫の超音波
今は、母親から血液を介して感染するケースがほとんど。母親の慢性感染の場合、筋肉内に存在し、胎盤を介して胎児は感染。1歳を超えた慢性感染の場合は、一生駆虫はできないと言われている。
② 条虫(サナダムシ)
猫条虫の片節
片節がお腹の中でつながって存在する
ノミが媒介します(グルーミングで口からノミを摂取し感染)。体の中ではつながっていますが、体外では写真のように分節状態。この分節が死ぬと、乾いて、小さな種状になります。一度駆虫しても、ノミの再寄生で、再感染しするのでノミ駆除も重要。
③ マンソン裂頭条虫
慢性の下痢の原因となる寄生虫です。カエルなどの捕食で感染します。とにかく長いです。基本的に、虫自体は体外に出てこないので、虫卵(右の顕微鏡写真)で感染の有無を検査します。
④ 糞線虫
犬の糞線虫(顕微鏡下)。飼育環境の悪いブリーダーなどから来た、慢性下痢の幼犬に、稀にみられます。
発作
① 突発性前庭疾患
斜頚
眼球しんとう
高齢犬で、首が曲がって(斜頚)、立てなくなる疾患。眼球しんとうをともなうことが多い。厳密にいうと発作ではないが、飼い主様は発作と表現することが多い。
② 心臓発作
犬(左3心房心と肺動脈狭窄症を併発)
猫(高度ブロックが原因)
③ てんかん
作成中
急性のアレルギー
ワクチンアレルギー(ムーンフェイス)
左がワクチン接種30分後のマズルの腫れ、右が治療後。
ワクチンアレルギー
接種後5分程度の急速な全身反応でした。
芳香剤・消臭剤アレルギー
ワクチンアレルギーと同じムーンフェイス。
花(バラ)のアレルギー
左(まぶたの腫れ、鼻先のボツボツ)、右(瞬膜の充血、浮腫)
原因不明のアレルギー
陰嚢と、眼の周囲の腫れ
高脂血症
高TG血症の血液
高脂血症は、高TG(トリグリセリド、中性脂肪)血症と、高コレステロール血症に大別されます。高TG血症のは白く濁ります(左は正常、右は異常)。高脂血症は、遺伝的にシェルティー、シュナウザーに多く、失明の原因にもなります。高コレステロール血症は、犬で致死性の甲状腺機能低下症に併発します。
断脚手術
肉腫を取るために、後肢を断脚しましたが、とても元気です。無い肢、どちらかわかりますか?手術に前向きになって欲しいので、動画を撮って公開しています。肢の痛みから解放されて、再発もなく、天寿を全うしました。