皮膚科
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アジア皮膚科専門医との連携
アジア獣医皮膚科専門医を皮膚科顧問に迎え、丁寧な診療を目指しています。皮膚科専門医とは、皮膚科診療のみを行う獣医療では数少ない専門医で、皮膚科認定医を認定する側の先生です。
当院の皮膚科診察の指針
■皮膚病理検査の導入
■ダーモスコピーの導入
■皮膚科エコーの研究導入
■皮下の3Dエコーの研究導入
■皮下腫瘤の硬度計測
■命に関わる疾患かどうか見極める
■ヒトや動物にうつるものか見極める
■種特異的な疾患であるか見極める
■専門医との連携
■遠隔診療システムの構築
皮膚病理検査
全身麻酔をかけず、局所麻酔下で、皮膚の一部を採材して、顕微鏡下で病理検査を実施します。皮膚の採材は、5分程度です。採材した検体を、アジア皮膚科専門医が診断します。アレルギー性(アトピー性、アトピー様、食事性)、寄生虫性、腫瘍性の皮膚症状の確定診断につながる検査です。
ヒト医療技術の応用
①ダーモスコピー
色素沈着
マダニ(犬)
②皮膚科エコー
皮膚腫瘍(犬)
皮膚腫瘍の超音波画像の比較(犬)
乳腺腺がん(猫、1~5 mm)
乳腺腫瘍(犬)
③LEDウッド燈
被毛1本から、真菌症の感染を発光により診断
皮膚真菌症検査(猫)
LEDウッド燈により真菌が光っています。ほとんど症状がない子で、飼い主様にうつりました。
④皮下腫瘤の固さの検査
elastographyとshear wave
組織の硬さを調べるモード。人では肝硬変などを検査しますが、犬に多い、脂肪腫など良性のものを的確に判断できたらよいと考えています。研究段階のテクノロジーです。
⑤皮下組織の3D構成
皮膚を3Dスキャンして血管走行をみています。
腹膜ヘルニアのチェックの3D化です。
皮膚を3Dスキャンして、摘出する腫瘤の場所を立体的に見ています。手術前の血管や組織の確認です。
遺伝的背景による疾患の見極め
①ドーベルマン、ボクサーなど


ドーベルマンの再発性側腹部脱毛症
12月頃から発生、初夏に収束。光周期との関連が指摘されている。ボクサーにも発生します。
②イタグレなど


イタグレのカラーダイルーション脱毛症
MLPH遺伝子の変異。脱毛ではなくて実は裂毛。
③ダックスなど


ダックスのパターン脱毛
痒みを伴わない、ある箇所に典型的な脱毛(パターン脱毛)が見られることがある
④短頭種(Fブルなど)や短毛種


短頭種、短毛種の膿皮症
適切なシャンプー療法と抗生剤でコントロール
皮膚症状
①命に関わる皮膚症状

尻尾の脱毛が有名。体幹や鼻梁に脱毛がでることもある。

全身性炎症反応症候群。写真はSIRSがDICへと移行したもの。

皮膚、舌、白目が黄色になる。胆のう、胆管、肝臓疾患で発生。

背中の左右対称性脱毛。腹囲膨満、多飲・多尿・腹部皮膚に血管が浮く(ベトナム春巻き様)。

血小板異常、凝固能異常。緊急の症状です。

全身の突然の赤み。薬のアレルギーでも起こる。痒みが出ることもある。

ワクチンアレルギーが有名。右の写真のように、花や消臭剤でも起こる。

ワクチンアレルギーと同様に、目や鼻の周りの腫れ。痒みが出る。

臍の部分で、腹腔中の腸や脂肪が腹腔から突出した状態。

ソ径部で、腹腔中の腸などが腹腔から突出した状態。脂肪と間違う場合が多い。

人では臍膿瘍で有名。臍から尿や膿がでる。

蛇の種類によっては、死亡するケースもある
②命に関わる皮膚症状(固形ガン以外)

脱毛、多量のフケ、鼻・口唇部の色素の脱落。

脱毛、多量のフケ、鼻・口唇部の色素の脱落。

この症例はハムスター。犬と同様に、フケ、脱毛などが特徴。

内臓の腫瘍でも皮膚症状がでる場合がある。

炎症の強い乳がん。治療法はない。
③ヒトにもうつる皮膚病(真菌、ノミ)


ヒトにうつった猫の真菌症
人は非常に痒いですが、猫には脱毛や、痒みが出ない時があります。
猫の皮膚真菌症の検査
LEDウッド燈により真菌が光っています。ほとんど症状がない子で、飼い主様にうつりました。

写真は栄養不足の仔猫。耳の脱毛が起きている。

指先の脱毛。

キャリア(無症候)の猫には注意。

高齢犬の真菌症は、突然発生する。

ボコボコした爪。人にうつる。

腰のジクジクした脱毛。ある日突然、強い痒みの脱毛が出ることが多い。ノミが人にうつります。
④動物間でうつる皮膚症状
(1)アカラス(毛包虫)
毛根を移動するアカラス下記の症例写真にもあるアカラス(毛包虫)の顕微鏡動画。実は見つけづらい。


(2)疥癬
疥癬ダニ
皮膚の上を歩く疥癬ダニ


(3)ウサギ

⑤ストレスによる皮膚炎
(1)猫(抜毛、脱毛、掻き壊し)
抜毛


(2)犬(足先を舐める)

⑥虚血性皮膚炎(眼周囲、耳)


犬種特異性や、季節性がある。
⑦犬によくある皮膚症状








⑧猫によくある皮膚症状






ワクチンアレルギー




ワクチンアレルギーは、直後から3時間以内程度に発生します。顔、お鼻の周りが腫れたり、全身に皮膚症状が出た場合には、直ちに対処が必要です。
肥満細胞腫(悪性度の高い腫瘍のひとつ)
①犬の肥満細胞腫


②猫の肥満細胞腫




猫の脾臓の肥満細胞腫
猫の肥満細胞腫は、皮膚型と内蔵型があります。皮膚型の形状は様々で、白っぽく脂肪の塊のようなケースもあり、しばしば見逃されがちです。内臓型は、脾臓に好発します(エコー検査が重要になります)。
③フェレットの肥満細胞腫


皮膚の悪性腫瘍で、私達が一番恐れるものは肥満細胞腫です。様々な形態をとり、時に良性に見えることもあります。また細胞診も、悪性腫瘍細胞を散在させることになるため、安易にはできません。非常にやっかいな皮膚の悪性腫瘍です。
メラノーマ(悪性度の高い腫瘍のひとつ)

アレルギー検査の概要
①犬アトピー性皮膚炎のガイドライン
犬アトピー性皮膚炎の診断ガイドラインでは、「アレルギー検査はアトピー性皮膚炎の診断には用いるべきでなく、あくまで他の検査の補助にすぎない」となっています。では何のために検査をするのかというと、後述する減感作療法や、今後予想されるアレルゲンの暴露を予防するために意味があるからです。
②アレルギー物質が必ず特定される訳ではない
多くの場合、ひとつの物質ではなく、様々な物質に陽性反応がでます(アレルギー物質候補が挙がります)。全くアレルギー症状がでていない動物でも、陽性反応がでることがあります。つまり、陽性反応=100 %アレルギー物質とは言ません。
③国内には様々な検査機関がある
国内には様々な検査機関があります。検査機関によって測定項目や結果が異なることがあります。
④食物アレルギーはIgE検査ではわからない
ヒトの報告では、IgE検査は、食物アレルギー検査には不向きとの報告が多数あります。
⑤ヒトでは実施されていない検査方法がある
アレルギーにはⅠ〜Ⅳ型があります。ヒトではⅠ型のアレルギー反応を血液中のIgEを指標に測定します(花粉症など)。犬の場合、このⅠ型に加え、国内ではⅣ型の反応も検査可能です(リンパ球反応検査)。ただ、このⅣ型に関しては存在自体が無いという研究もあり、いまだ謎が多い分野。
⑥検査機関により料金が異なります
検査機関により、料金が10,000〜50,000円と異なります。当院では現在、動物アレルギー検査会社の検査を導入しています。上記のⅣ型の検査も可能です。料金はすべて実施すると50,000円程度になります。
⑦医療経済学的な立場から一言
料金的なこと、必ずしもアレルギー物質が特定できないことから、検査に踏み切れない方が多くいます。当院としては、上記①〜⑥を理解された上で、必要であれば飼い主様の同意を得て検査を実施いたします。ちなみに、一部の犬を除き多くの犬のアトピー性皮膚炎は、低用量のステロイドでコントロール可能です。10kg程度の犬であれば、5mgのステロイドを2~3日に1回で処方し、1ヶ月1,200円程度。つまり、5年分の処方料が、検査費にかかることになります。
⑧ハウスダストマイトに対するアレルギー検査と減感作療法
ハウスダストに対するアレルギー検査を行い、陽性であればその物質を数回接種して、症状を軽くする減感作療法が当院でも実施可能です。現在、改善率は70%程度と言われています。しかし問題点もあります。症状が確実にハウスダストのみに反応しているのか、治療をしてみないとわからないこと(他の物質にも同時に反応していれば減感作療法の効果がなくなる)、料金が高額であること(当院では、検査6回の注射で7〜80,000円)、完治するのか、いまだ不明であることです。問題点も多いことから、大手保険会社アニコムでは2021年12月現在、保険対象外になっています。