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角膜外傷、高血圧性網膜剥離(腎不全の猫)、緑内障 等は、迅速な対応が必要です。状況に応じて、専門医(http://www.jscvo.jp/expert/)等に紹介いたします。
出血
網膜の疾患
① 網膜はく離
水晶体脱臼と網膜はく離の症例(猫、腎障害)
② 進行性網膜萎縮症(PRA)
遺伝子検査と併せて診断。しかし、遺伝子検査が陽性(positive, affected)でも、かならず発症するわけではありません。陽性時の発症確率(オッズ比)は不明です。
③ 先天性の失明
先天性網膜萎縮症(猫)
cPLRテスターによる検査
水晶体の疾患
① 白内障
2021年現在、動物の白内障の進行を遅らせるエビデンスのある薬、サプリメントの報告はありません。白内障の手術は、紹介になりますが、術後の緑内障の発症が少なからず報告されています。当院では白内障に起因するぶどう膜炎の予防薬の点眼治療がメインの治療方針です。
② 核硬化症
犬猫では、5~6歳で、水晶体の中心部が均一に青白くなる核硬化症が発症します。白内障と違い、視覚には影響しないので、治療対象外です。核硬化症は、しばしば白内障と誤解されています。
③ 水晶体脱臼
後方脱臼と、前方脱臼がある。眼球摘出(当院でも可能)が治療法。
④ 水晶体形成不全
緑内障
眼圧が上昇し、失明する疾患。痛みや、結膜の充血等を伴う事が多い。直ちに治療を開始しないと失明する。眼圧計のある病院で治療しましょう。猫の緑内障は、犬の原発性の緑内障とは異なり、腫瘍や致死性感染症の際に2次的に発症することがほとんどです。
角膜の疾患
角膜は、眼の一番外側の透明の膜です。外傷、慢性的な被毛の刺激、涙液量の低下で、痛み、白濁、色素沈着を起こします。外傷は直ちに治療が必要です。先天的な変性症もあります。瞬目(眼をパチパチする)がある場合、外傷が有るケースがほとんどです。
前眼房の混濁・沈殿
前眼房は、出血で赤くなり、炎症産物が沈殿しで白くなり、脂肪様防水で均一に白くなる
涙やけ(流涙症)
涙やけは、涙液量増加(異所性まつ毛による刺激、ろう管現象)、涙液排出路異常(下眼瞼内反、鼻涙管閉塞)、マイボーム腺の機能異常によって発生する。
瞬膜(第三眼瞼)の疾患
犬猫には、人間にはない瞬膜が眼の内側に存在します。体調不良、風邪などで目立つように出てきます。チェリーアイという、瞬膜にある分泌腺が突出する疾患も有名です。
硝子体の疾患
眼にできるイボ
眼のふちには、マイボーム腺という分泌腺があり、眼の表面に油分を分泌している。マイボーム腺が細菌感染して化膿して腫れたものが、ものもらい(麦粒腫、ばくりゅうしゅ)、マイボーム腺がつまって腫れたものが霰粒腫(さんりゅうしゅ)、マイボーム腺の腫瘍をマイボーム線腫という。
虹彩の疾患
虹彩メラノーマ(猫)
高齢の犬の場合、しばしば、右眼と左眼の大きさが違って見えることがあります。虹彩の委縮が起こると、視覚には影響しませんが、光の調節がうまくいかず、そのようになることがあります。
結膜・強膜の疾患
白眼が赤くなったという飼主の表現は、一般的には強膜・結膜炎の状態です。黄疸(肝臓障害)があれば黄色になります。
腫瘍
眼内腫瘍のエコー(猫)
迅速な摘出手術が必要です(当院でも可能)
眼窩下の腫れ
眼の下が腫れたというご相談がよくありますが、眼ではなく歯が原因の事が多いです。歯の根元に膿がたまり、骨を溶かして、皮膚に溜まり腫れます。
斜視
先天性の斜視(シャム猫、内斜視)や、眼が大きく眼窩に入らないタイプの斜視(外斜視)は、治療対象外。成長後、斜視になるケースは、水頭症(チワワなど)、眼の後方の腫瘍が原因の事が多い。
アレルギーによる眼の周りの浮腫
植物、虫ささされ、食べ物、ワクチン、消臭スプレーなどが原因で発生します。眼の周りや顔全体が腫れます。気管周囲が腫れると窒息死するので至急の対応が必要です。
アトピー(眼の周囲の脱毛・痒み)
アトピー性皮膚炎では、両眼の周囲の脱毛、赤み、黒い色素沈着が見られます。全身の痒みを伴います。
眼球振とう(眼振、がんしん)
内耳疾患に併発した眼振
運動障害により眼球に外傷がないか拡大して確認する
自分の意志とは関係なく眼が動く症状球の犬の前庭疾患や、内耳の疾患に併発する。同時に首の斜傾(ななめに傾く)が出現し、運動障害が起こることが多い。